2011年8月19日金曜日

ヘレンリーフクルーズレポート2004 1航海目

1120日から27日で現在予約受付中のスペシャルクルーズ、パラオ南西諸島、ヘレンリーフの過去ログアップです。 あまり情報のない場所なので、皆さんも興味しんしんかと思いますが、2005年まで毎年のように行っていたクルーズの体験記をアップしますので、ぜひ旅のご参考に。

== 2004年 クルーズ体験記 1航海目 ==


今回の南西諸島、ヘレンリーフクルーズが始まりました。今回は2航海の開催となり、5月29日から6月5日のリポートをおこないます。これまで数度この貴重なクルーズを催行してまいりました。さていったい今回はどんな体験、ハプニングが!!

5月29日

コンチネンタル・ミクロネシア953便でこのツアーに参加するためにパラオに降り立った皆さんは8名。22時30分マラカルから乗船しいざ出発!

5月30日 ソンソロール
29日の晩は満天の星空のした、サンデッキで壮行会。波も無くとっても穏やかでペリリューを過ぎたころもまったく問題なし・・。実はこれが嵐の前の静けさだったことに気づいたのはソンソロールに到着する数時間前でした・・・(涙)。北から吹いていた風がだんだん南に回り船足が上がらず、ソンソロール到着後ダイビングや上陸を予定していましたが到着は日没直前の18時。残念ながらダイビングはお預けとなってしまいました。

ソンソロール出身のドナルドが島への配送品や贈り物などをもって上陸してきましたが、ここ数日狩りに出ていないということでヤシガニもお預け。最終日に寄って頂けるように話しておきました。

到着後、低気圧の影響で大雨となり、100mも先が見えない状態。海も大きく荒れ始め次の島のメリルには真夜中出発予定でしたが、20時に出発。夜の間ずっとこの雨と波に悩まされ、時より船が振動するくらい縦揺れが激しく、ちょっと寝付きにくい夜となってしまいました。夜中の2時過ぎに少し海も穏やかになり31日、メリルについたときは風がやみ、海もずっと静かになりました。


5月31日 メリル
さていよいよダイビングです。6時前に起床しましたが、まだ空は真っ暗。雨は降っていましたが、6時を過ぎると東の空が明るくなってきました。青空とは行かないものの、光が差してきたころには皆さん起きだしてダイビングができるのか状況を伺っていました。早起きした方は船の横を通り過ぎたオキゴンドウの群れを見れたようです。残念ながら暗すぎて写真には写りませんでしたが。

本船はメリルの東側海域にて待機。1本目は東側のドロップへ。今回初ダイビングとなるため、まずはあまり潮の無いところでのんびりダイビング。このメリルには花木やジョーダンが人生で1番潮の早いダイビングを経験したポイントがあり、コンディションが許せばそこに潜ることも考えており、お客様にはしっかりとウォーミングアップをしておいて頂かないといけません。ハラビレの黒いオレンジフィンアネモネやフエダイの群れがいた思惑通りの?まったりダイビングとなりました。

2本目は西側へ。ちょうど1本目と島の反対側で緩やかなドロップです。東側に比べソフトコーラルや海藻類が少なく、時より沖からツムブリの群れが現れました。1本目、2本目ともカメが多く、甲羅の大きさが40センチくらいのものから1メートルくらいのタイマイやアオウミガメでした。潮は南から北へ流れていましたが、後半潮が変わり南へと流れが始まりました。こうなると午後のダイビングは、南のコーナーを目指すことになりますが、流れと大物を期待したいところです。

しかし午後から南風が強くなり、どうも南のリーフへは近づけない様子。しかたなく西側のリーフで午後の2本をおこなうことに。どこに行ってもカメ、カメ、カメ、カメ、カメ・・・。3本目のエントリー前には水面でカメがエッチの最中。水中から見ようと(これってデバガメ?)手前から入りましたが、ダイバーの気配を感じて消え去ってしまいました。

トローリング、ジギング等に出た釣り部隊はキハダマグロやツムブリ、カツオ等をあげて戻ってきました。晩御飯にはキハダマグロとロウニンアジのお刺身を頂きました。



6月1日 トビ
昨夕からトビに向けて出発。朝4時ごろ到着。5時30分ごろ起床すると東の空がうっすら明るくなり始め、朝から太陽が拝めそうな天気でした。操舵室ではアンドリュー夫婦が故郷の島を楽しいそうに眺め、写真まで撮っている始末。気分はハネムーンかい、君たち?と冷やかしつつ朝のダイビングに向かいました。現在島には3名の島民がいるようで、うち一人は以前パラオスポートで働いていたピーターで、再会が上陸の際のひとつの楽しみです。島の南には背の高い椰子の木がたくさんありとってもきれいな島です。

さて朝一のダイビングですが、北東のリーフをジョーダンガイドでエントリー。水深5mほどの浅いリーフにはサンゴがびっしり生息し、ハナダイダマシが思わずカメラを向けたくなるほど群れておりました。透明度も抜群です。カンムリブダイやハギの群れがダイバーの後ろをついてきて前からはオニカマスやツムブリがやってきます。時折大きなウミウチワやカメが現れ皆さんのストロボが光っておりました。リーフがドロップからスロープに変わるころ、カマスサワラがダイバーのはいたエアに突撃を始め、ギンガメアジとブラックフィンバラクーダの小群れがダイバーを囲みにきました。パチパチ写真を撮っていたらリーフも深くなってしまい、そのままゆるいダウンカレントにかかりあえなく浮上。30分と短いダイビングでしたが満足のいく1本でした。

この朝のダイビングの時間に釣り部隊は・・・なんとキハダマグロをゲット!夜はお刺身でと思いきや、トロの部分を切り取って朝ごはんからお刺身を頂いちゃいました。ご馳走様です。

2本目はアンドリューのガイドで北西のリーフから北に向かってエントリー。ほどよく流れていましたが、前半はこれといって出物はありませんでしたが、後半いつ切れるか分からないくらいの量のツムブリの群れ!一緒にバラクーダの群れも現れて楽しい一本となりました。

2本目のあと、お弁当を持ってトビ島へ上陸。ピーターが早速出迎えてくれました。島に上がったとたんに野性を取り戻したアンドリューが椰子の木に登り実をもぎ取って落としてくれました。鉈で皮を切って新鮮なココナッツジュースを飲ませてくれました。
食事後にアンドリューの島内観光。島の中に入っていくと大量の蚊。皆虫刺されよけスプレーをしていきましたが、お腹のすいている蚊はそれでも肌に吸い付いてきました。
島の中ところどころ芝や木が火事で燃えたような跡があり雷でも落ちたかと思いきや、芝は一輪車を押すには伸びすぎたので燃やしてしまったとのこと。木については不明。トビの代名詞となっていた木や、学校前のパンの木も枝が切られてちょっと寂しくなってしまいました。

帰りにピーターからヤシガニの試食をさせてもらい、1匹お土産にでっかいヤシガニを頂きました。また来週に会えるので何か持ってきてほしいものがあればと話をしてお別れをして島を後にしました。

 3本目のガイドは花木で西側リーフへ。島にある十字架の前からエントリー。マズはタテジマヘビギンポやカエルウオなどを紹介。その後北に向かって泳ぐこと10分。狂ったようにタンクをたたく音が聞こえたと思いきや水深25mくらいにでっかいグレイトハンマーヘッド!!下から浮上してきてダイバーをにらみつつ去っていきました。その後も大ものを期待しましたが、カメやらハナダイダマシを見て終わり。
3本潜って感じたことですが、98年からはじめたこのクルーズですがサンゴが復活して浅いリーフがどこにも負けないサンゴ礁となっている姿には感動しました。これはという大物や群れはいなくてもこのサンゴの姿を見ただけで満足してしまいました。

ヘレンリーフ出発まで時間があるのでしばらくトローリングチームを結成。島を約2週しましたが、ツムブリ1匹・・・。皆さん食べる分は自分で取ってくると言っていましたが、ちょっと1匹ではたりませんね。同じくしてた本格的フィッシングチームはでっかいキハダマグロをゲット。強い引きを楽しめたようです。
ちょっと変わったハプニングはフィッシングネットが漂流していてその周りにキハダマグロが狙っており、ジェイドはそこでキハダマグロを2本あげました。その後そのネットを引き上げたところ、中にはコガネシマアジやモンガラ、イスズミなど50匹くらいが詰まっており、さっそく船員やパラオ人スタッフのお腹に入っていました。

夜中の12時。ヘレンリーフに出発しました。



6月2日 ヘレンリーフ
ヘレンまではトビから4時間弱。朝4時ごろにはヘレンのリーフの3マイルまで接近。船長曰く、うかつに近寄ると座礁する危険があるのでということ。南北30キロに伸びる大環礁ですが、潮が上がった状態では大海原にある浅瀬は日がないと目視できません。GPSで北緯2度5分。6時過ぎに太陽が昇りボートを下ろしていよいよダイビングの開始です。

1本目は南西のコーナーを北に向かってダイビング。ギンガメアジ、バラクーダの群れがダイバーの輪まりをグルグル。ジョーダンがアクセルロッドクラウンブレニーを教えてくれました。

2本目は南のリーフ。子供のサメが3匹ずっとダイバーの下をうろうろ。サメの子供は目がくりっとしていた可愛いのですが、どこか動きが落ち着き無く、こっちも落ち着きがなくなってしまいます。大きなカンムリブダイやナポレオン、カスミアジの群れなどが見れました。大きなカメのカップルも出会うことができました。

3本目は西側にあるヘレンの水路に。ドロップから水路に入っていくダイビングでしたが、入り口に近づくにしたがって流れが強くなり、コーナーを曲がったときには最高潮に達し、弾丸のように流れていきました。このヘレンでは外洋でカクレクマノミ、内湾でスパインチークアネモネを見ることができますが、「ファインディング・●モ」でカクレクマノミがブームになって以来リクエストが連発。(とは言っても通常のパラオにはいないのですよ。) ここぞとばかり探しましたが、全員が見れたという訳には行きませんでした。

3本目の後、本船がヘレンの水路を通り内湾へ。錨を下ろして今晩は数日ぶりに夜間停泊です。4本目は本船目の前の浅いリーフで1時間のフリーダイビング。ここでスパインチークを探しましたが、残念ながら発見に至らず。カクレクマノミを見つけ出した方もいらっしゃいましたがほかにヒットはありませんでした。そのほか見られたお魚はカニハゼ、アカメハゼ、イナズマヤッコなどたくさん見られました。

夜はサンデッキでBBQ。途中で雨が降ってきてサロンに避難しましたが、これまでのダイビングと残り3日間の安全航海を祈願して乾杯しました。夕食後は皆さんお酒が入って辛口トークとなり一発触状態。、スタッフ一同は冷や汗をかきつつ、腹を抱えて笑わせていただきました。



6月3日 ヘレンリーフ
さてヘレン2日目です。昨日は東風が穏やかに吹いていましたが、今日は南西の強風。1本目に外洋へ出ましたが、西側にある水路の出口は白波が立つほどの波でボートを走らせるのに難儀しましたが、透明度のよい1本を潜ることができました。

2本目は内湾の水路入り口付近の浅場。2年前に10mほどの水深にスパインチークがいたところで、ジョーダン、花木が場所を覚えており、まだご紹介できずにいたスパインチークを見に行きました。(カクレクマノミもまだなんですが・・)潜ってすぐにイソギンチャクを発見。クマノミらしきオレンジの魚を問う目で確認しゆっくり近づいていくと、そこにいたのはカクレクマノミでした。2年前にはスパインチークだったのが家主がカクレ~に変わっておりました。しばし撮影タイム。皆さん思う存分撮れたようです。その他にはカニハゼやギンガハゼなどの内湾系から30キロはあろうかというロウニンアジまでいて透明度のよいダイビングが楽しめました。

さていよいよ上陸です。現在島には島守として3人のパラオ人が住んでいます。島の中にあった小屋もきれいに改装されレーダーや無線も備わっており、電気は太陽電池で引いていました。ちょうど上陸した時間が大潮の干潮だったためいつもより砂地の面積が広くこれまでと違った風景。白い砂浜がずっと続いて別世界のようです。島に上がると木の上で巣を作る鳥がひっきりなしに飛んで上からウンチを落としてくるので鳥の来ない砂浜のうえでランチ。島で食べるおにぎり、サンドイッチはとっても美味しく、皆いつもよりいっぱい食べちゃいました。食後に島内散策。1時間以上自由時間を設けましたがあっと言う間に時が過ぎてしまいました。島の北側に行くとアジサシの仲間が数え切れないくらい群れて営巣しており、親鳥が卵や雛を守っています。人がち近づくと一段と鳴き、近づいたり、声を立てたりすると数百匹が一斉に飛び上がります。このとき場仮はみな砂地に腰を下ろし、声を潜めて目の前の鳥の姿に感動しておりました。

帰り道砂の上にカメの這った跡が数筋。アンドリューが言うには今朝カメが卵を産んで出て行った跡だそうです。潮の満ちた時間にやってきて卵を産み、潮が引いた時間にゆっくりと海に帰っていく姿が想像できました。

3本目のダイビングは外洋に出て潜る予定にしていましたが、南西の風が一向に弱くなる気配が無いのでもう1本内湾でのダイビング。これまでで1番白濁した水の中でのダイビングでしたが、運良くここでスパインチークを見ることができました。サンゴの間にあるイソギンチャクの中にひっそりと住んでいました。いつもはサンゴの中に隠れていることが多いキイロサンゴがサンゴにちょこんと乗っかって写真を撮らせてくれました。

このダイビング終了後、本船はプルアナに移動です。



6月4日 プルアナ
朝プルアナについてみると南西から風の影響で島の回りどこへ行っても大きなうねりと波。ボートを下ろそうにも揺れが大きすぎて危険な状態。4時間走るところにソンソロールがあるのでプルアナでのダイビングは予定変更してソンソロールへ向かいました。

ソンソロールも波やうねりはありましたが、プルアナより島が大きいおかげで隠れることができる場所がありボートを下ろし午後から2本のダイビングを行う事ができました。
火炎サンゴだらけのスロープドロップオフでオレンジフィンアネモネ、ゴールドベリーダムゼルが多く見られました。最後にハンマーやカジキ!と行きたかったのですが・・・100本記念の宮田さんの撮影大会となりました。
 
夜はこれまで仕入れた?食材で豪華なディナー。アンドリューからもらったヤシガニとジェイドの釣ったキハダマグロなど。カニ味噌がとっても美味しく、4匹茹でましたが、あっという間に無くなってしまいました。食後は宮田さんの100本記念と保高さんのパラオスポートだけで100本記念を行い、ケーキとTシャツのプレゼントを行いました。



6月5日 マラカル帰港
長いようで短かった1週間が終わりました。低気圧の影響が出ましたが、それでも普段のパラオでは経験のできないダイビングや、上陸は皆さんの旅の思い出にきっと残ることでしょう。

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